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【興行収入】「来日記者会見でイルカショー」「相次ぐ上映中止」、『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』公開も日本では初登場3位

アバター:ウェイ・オブ・ウォーター (オリジナル・スコア)

ジェームズ・キャメロン監督最新作『アバター ウェイ・オブ・ウォーター』が公開されたが、全世界及び全米でのオープニング興行収入は予想をやや下回ったようだ。その中でも日本での興行は特に振るっていない。

 

  • 『スラムダンク』『すずめの戸締まり』に敗れる

【映画パンフレット】 THE FIRST SLAM DUNK 監督:井上雄彦 声の出演:仲村宗悟、笠間淳、神尾晋一郎、木村昴、三宅健太 スラムダンク

映画チラシ『すずめの戸締まり』別バージョン+おまけ最新映画チラシ1枚

『アバター ウェイ・オブ・ウォーター』は日本では3週目の『THE FIRST SLAM DUNK』及び6週目の『すずめの戸締まり』に敗れて初登場3位。世界で唯一初登場1位を記録できなかった。オープニング3日間の興行収入は6.46億円で最終的に30〜40億円程度見込みと近年の洋画の興行収入と照らし合わせればそれなりのヒットではあるが、日本史上最多の全国1466スクリーンでの公開であることや前作が興行収入156.0億円の大ヒットであることを踏まえるとかなり物足りない数字。もちろん、前作のオープニングも水曜公開で5日間累計13億円程度ということを踏まえれば表面上の数字で言えば遜色ないが、前作は当時物珍しかった本格3D映画ということで話題になりロングランヒットとなったのに対して、今回は既に3D映画は当たり前かつ飽きられており、当時と同様の推移を辿るとは考え難い。口コミという意味ではこの冬なら映像面では『THE FIRST SLAM DUNK』、物語面では『すずめの戸締まり』の方が強いだろうし、何より上映時間3時間超えは二の足を踏む要因になりそうだ。

 

元編集長の映画便り on Twitter: "概算数字です。『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』は土日の動員25万9000人&興収4億7700万円。1466SCで初日含む3日間で動員35万4000人&興収6億4600万円となっています" / Twitter

 

 

  • 疑問だらけの上映形式、上映中止報告も相次ぐ

また本作のような映像に力を入れてる作品は「出来るだけ良い環境で観たい」と思うのが世の常。しかし本作では公開日を迎えても尚「どの上映形式で上映してるのかよく分からない劇場」も多い。もちろん、映画館サイドにしてみれば態々「ハイ・フレーム・レートではない」「4Kではない」等の欠けた情報を公表したくない、という気持ちは分かる。でもそれなら本作の公式側が各劇場の上映形式の一覧表を作ってくれても良かったのではないか、とは思う。自分が観る、観た形式がどういう形式だったのかハッキリしない状態はモヤモヤが残る。また欠けた情報を公表したくないというのは一定の理解を示せるが、『TOHOシネマズ』『イオンシネマ』『MOVIX』などに対して『109シネマズ』は「ハイ・フレーム・レート」上映を実施するにも関わらず公開前日まで公表しなかったのは理解に苦しんだ。

その上、日本ではIMAXレーザーを中心にSNSでは上映中止の報告が相次いだ。どうやら「4K・HFR・3D」に機器が耐えられなかったようで、急遽「24fps」上映に切り替えた劇場もあったようだ。ここら辺もその劇場の利用者からすれば「話が違うよ!」という感じだろうが、強行して上映中止の事態を招いたり、黙って変えたりしなかった分誠実さはあるな、と思った。現にネット上では「IMAXレーザーも4Kではなく2K上映」などの情報が交差しており、未だに自分が観た上映形式が定かでない人も少なくない。

 

 

  • 来日記者会見のイルカショーにも批判の声

更にジェームズ・キャメロン監督が来日した際にイベントで日本がイルカショーを披露したことも一部では「キャメロンに調教したイルカのショーを見せるってどういうこと!?」と批判の声があった。こうした声は日本ではそこまで大きくなく、海外でも大炎上みたいな話でもないっぽいが、監督のInstagramや海外メディアの報道を確認すると来日の前日にイベントを行った韓国でイルカの捕獲について批判的な文脈での発言をしていたことも踏まえて少なからず波紋を呼んだようだ。

そのためか日本の本作の公式アカウントは一度投稿したイルカショーの画像及び動画を削除してジャパンプレミアの報告レポートでもイルカショーについては一切触れてない。またアメリカの公式アカウントでも日本でイルカショーを行った事実はまるで最初から「なかった」かのような扱いとなっている。しかも映画本編を鑑賞するとバリバリの反捕鯨映画かつ捕鯨船の兵器にも「日浦」と日系企業への批判を匂わせる描写。多分宣伝担当者は今頃頭を抱えているのではないか、などと勝手に思うが、本国との事前確認の経緯やキャメロン監督の認識も気になるところだ。

 

【追記】『James Cameron breaks silence on Avatar 2 dolphin stunt: 'I was seething'』によるとジェームズ・キャメロン監督は「優れた科学研究と自然保護プログラムを有する水族館をイメージしてたのでイルカショーがあるとはステージに向かって歩いている時まで知らなかった」「あまり大事にしたくなかったが、するべきだったかも」「遠回しな嫌味は言ったし、心の中では怒りで興奮してた」という趣旨の釈明をしているという

 

 

  • 最後に…

世界的に大幅ダウンとなった3D映画『アリス・イン・ワンダーランド』と異なり日本で特にコケてるのは、日本ではそもそも1作目も世界興行に対して『タイタニック』対比でそこまでヒットしていないことやそもそも日本人が3D映画に抵抗感を示す割合が高いという説、などもあるかな、と思う。最後にキャメロン監督は日本からアメリカに帰る途中の飛行機でコロナに感染したらしいが、イルカショーと興行的不発もあっていくら『タイタニック』の貯金があるといえど次から来日はないのではないか、と心配になる。特に今回のようなオールキャスト来日はコスパ的にも難しい気がする。

 

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