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『アバター:ジェームズ・キャメロン 3Dリマスター』公開、公開当時の思い出と再上映の感想

アバター (吹替版)

ジェームズ・キャメロン監督の『アバター』が再上映されるので当時の状況についての自身の記憶を記しておこうと思う。ただ13年も前のことなので、記憶違いや事実誤認等もあるかもしれないが、その辺はご愛嬌。

 

  • 各劇場で違った「3Dメガネ」

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『アバター』以前の3D映画は所謂「飛び出す」系のアトラクション強めの作品で、尚且つ3D上映をしているのは一部の劇場のみと一般的に普及してるとは言えなかった。しかし2009年12月、ピクサー『カールじいさんの空飛ぶ家』と『アバター』の3D上映により全国的に3D上映の環境が普及。これまでとは比べ物にならないほど、手軽に劇場で3D体験をできる状況になった。ただ3D上映は全国どこでも同じメガネで鑑賞するのではなく、劇場ごとに異なる上映形態だったことから、観客側に「どの映画館で観るか」を物凄く意識させた。当時イチオシされていたのが「IMAX」で「画面が明るい」「メガネが大きい」と絶賛される一方で「追加料金がかかる」「IMAXシアターが日本であまり普及してない」という状況から気軽に観れる形態ではなかった。逆に評価が最悪だったのが「TOHOシネマズ」などが採用していた「シャッター方式」の「XpanD」で「メガネが重くて疲れる」「画面が暗い」「使い回しだからか偶にレンズに傷がついてる」など散々で、あの「赤い3Dメガネ」故に3D映画そのものを敬遠してしまった層もいるのではないか、などと感じる。「XpanD」は余程評判が悪かったのか、「TOHOシネマズ」は2011年辺りから「ワーナー・マイカル・シネマズ(現・イオンシネマ)」が採用していた「RealD」と同様の「円偏光方式」である「MasterImage 3D」に切り替えていた。この方式はメガネがとにかく軽く、持ち帰り可能というのも魅力的だった。また「クリップオン型」も用意されてるなど、視力の関係で元から眼鏡をかけている人にも優しいスタイルだった。

 

 

  • 世間的には「奥行きはあったけど…」

アリス・イン・ワンダーランド (吹替版)

『アバター』は公開当時、これまでの「飛び出す3D」とは異なり、世界観への没入をコンセプトに「奥行き」を重視した3D映画だと紹介されていた。ただそうした監督の意図を汲み取るの一部の映画ファンくらいで、一般的に3D映画に期待するのは「飛び出す3D」、しかも比較対象はこれまで公開されてきた3D映画ではなく「ディズニーランド」や「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」で体験した3Dだ。そうなるとやはり『アバター』の3Dは分が悪く、世間的には「まー、奥行きはあったけど…」程度の認識。しかもその後『アバター』のメガヒットに便乗して『アリス・イン・ワンダーランド』を筆頭に2D映画を後から3Dに変換した作品が次々と公開され、一部を除けば「入場料金が高くなった上に、画面が暗くなって、その癖大して奥行きもない」と3D映画への評価は下がり、徐々に3D上映は衰退していった。おそらく「3D映画」として注目を集めて最後に大ヒットしたのも2013年公開の『ゼロ・グラビティ』くらいまで遡るのではないか、と思う。ただ今年は『アバター ウェイ・オブ・ウォーター』の公開を控えるからか、ディズニー配給作品を中心に3D上映も復活傾向にある。

 

 

  • キャメロン監督「2Dは観てないのと同じ」

ここまで自分の記憶を辿って主観ながらも出来るだけ客観的に『アバター』公開当時の状況と3D映画が辿ってきた軌跡を簡単に振り返ったが、ここから完全主観による個人的な『アバター』の3Dの感想。まず開幕早々眠りから覚めた主人公・ジェイクの周りに水滴が浮いている3D効果や寝床から出てきた奥行き表現は「おぉ〜」とは思ったが、その後は研究室にあるモニター映像の立体効果こそあれど、人間パートは基本「これメガネを外してても大丈夫じゃね?」と思える程度の奥行き。しかしパンドラの森についてからは、その空間にある植物や虫が手前に登場して、まるで自分が本当にその場所にいて植物をかき分けて進んでいたり、目の前に虫が飛び交っているように錯覚させられる。キャッチコピー「観るのではない。そこにいるのだ。」に「偽りなし」という感じだし、再上映のタイミングでジェームズ・キャメロン監督が出したコメント「若い映画ファンは映画館で見る機会がないんです。映画を観たと思っていたとしても、実は本当に観てはいないのです。」も大げさではない、と感じる。「昼のパンドラの森」→「主人公が炎を燃やしている時の真っ暗な夜のパンドラの森」→「主人公が燃やしていた炎が消えて、パンドラの植物と生物が光り始める神秘的な夜のパンドラの森」という見せ方も見事。パンドラの森をフワフワと飛んでいるクラゲみたいのも、思わず手を伸ばしたくなるような立体効果だった。ただ一人称視点でその場にいる感がリアル過ぎて主人公たちの性行為シーンはちょっとカーテンの隙間から覗き見をしているみたいで気まずくもあった。その他、葉が空から落ちてくるショットや灰が舞い散るショット、雲がこちらに向かってくるショットなどは3Dが効果的に使われていたように思う。ただ正直前半のパンドラの森紹介パートを終えた後の全景ショットや飛行シーン、ラストのアクションパートは3D向けに作ってる故に一定の効果はあれど、やはり一部を除いたその他大勢と同様に「気持ち立体感がある」程度。もう少し奥行きやライド感を表現しても良かったのではないか、などと感じた。

 

 

  • 最後に…

とはいっても、3Dで観ていない人は絶対3Dを体験しておいた方がいい作品。『ウェイ・オブ・ウォーター』には不安もあるが、楽しみにしている。

 

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