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【井上真央×佐藤健×松山ケンイチ】金曜ドラマ『100万回 言えばよかった』で直木が悠依に作った「しょっぱいプリン」が泣ける理由

金曜ドラマ『100万回言えばよかった』の初回が放送された。

 

  • 失踪した悠依の彼氏は幽霊に…

本作は井上真央演じる悠依の彼氏である佐藤健演じる直木が失踪するも、実は直木は幽霊になっていて周囲から見えない存在になっていた、という内容。そんな直木を目視できるのは松山ケンイチ演じる刑事・魚住で、初回は魚住が悠依に直木が見えていないだけで「ここにいる」ことを証明しようとする。

ただ普通に考えて「失踪したあなたの彼氏は見えてないだけで、ここにいるんですよ」とか説明されても怖いだけで到底信用できるものではない。また悠依は「直木が幽霊になっている=直木は死んでいる」という現実を直視したくないという心理的ハードルも高かった。

 

 

  • 自分が「ここにいる」ことを証明するために…

そこで直木は自分が「ここにいる」ことを証明するために料理を作る。悠依と直木は幼馴染だったが、高校進学の機に自然と疎遠になるも、30歳を過ぎたタイミングで偶々悠依が訪れたレストランのハンバーグの味で中学時代に彼が作ったハンバーグの味を重ねて彼が料理を作っていることに気づいた、という設定。そのため直木は自分にしか作れない味の料理で悠依に自分が「ここにいる」ことを信じてもらおうとした。疑心暗鬼の前の悠依に出される、直木が自分の誕生日に用意してくれていた料理と全く同じラインナップに加えて、彼女がナイフやフォークなどを使わずに箸で食事をする性格を熟知した配膳。この「直木が幽霊になっている」という認めたくない現実を徐々に受け入れざるを得なくなるステップを踏んだ丁寧な演出が堪らない。

 

 

  • 「しょっぱいプリン」が泣ける理由

悠依は料理を口にして、直木の料理と同じ味であることを確認する。そして極め付けはデザートのプリンだ。悠依は食べた瞬間に苦い顔をしながら泣き始める。これは直木が砂糖入りの「甘いプリン」ではなく1年前の誕生日で直木が砂糖と塩を間違えて作った「しょっぱいプリン」の方を再現したからだった。ここで悠依と一緒に視聴者が泣ける理由は1年前の誕生日に「しょっぱいプリン」を食べた直木と悠依の笑いあう何てことのない描写が、このシーンによってあの瞬間が如何に尊かったかと輝きが増すからだろう。見事な演出だったように思う。

 

 

  • 最後に…

初回から最終回のような内容で一つの短編映画を見たような気分にもなったが、本作は連続ドラマで始まったばかり。今後どのような展開が控えてるのか楽しみだ。最後に本作はただウェットに切ない方向に張り切ってるのではなく、松山ケンイチ演じる魚住によって笑いを挟み込んでるのが見やすくて良かった。

 

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