『週刊少年ジャンプ』で連載2周年を迎えた篠原健太先生の『ウィッチウォッチ』に同作者の初連載作品『SKET DANCE』のヒメコらがゲスト出演するコラボ回が掲載された。
- 「ポリコレとか知らん!」はギャグの前振り
皆様のおかげでウィッチウォッチは2周年を迎える事ができました。本当にありがとうございます。
— ウィッチウォッチ【公式】 (@WITCHWATCH_off) 2023年2月6日
ツイートする予定はなかったのですがちょっとコメントさせてください。(篠原) pic.twitter.com/q9CnoXBf9S
その回では冒頭から高校教師になったヒメコが「教師が暴力振るっていいのかよ」と煽るイジメをしていた生徒に対して「ああ知らん知らん!ポリコレとか知らん!時代とかそんなんええねん!悪いヤツはどついたったらええねん!」と笑顔で発しながら、いじめっ子たちを叩いて撃退する。SNSではこのシーンをスクショした画像が拡散され、過去に篠原健太先生が献血ポスター関連で炎上したことと合わせて「ポリコレに対して一言物申してくれた!」「今更『ポリコレ無視』とかサムイ」という趣旨の肯定及び否定的な投稿が複数された。
ただこのシーンには続きがあって、ヒメコは生徒から「先生はもう結婚してるんですか?」という質問に対しては「セクハラや!!初対面の女性に聞くなそんなもん!時代考えろ!」とブチギレて、生徒から「ええ?この人さっきポリコレ上等みたいな事言ってなかった?」とザワつきが起こる。つまり拡散されているヒメコのポリコレ批判発言は、その後に自らのセンシティブな部分に触れられた際には時代をも盾にしながらブチギレるというダブスタギャグの前振りという扱いになっている。
- 教師の生徒への体罰はポリコレではなくコンプラ?
そのためSNSで一部絶賛または批判されてるようなストレートなポリコレ批判を展開した訳ではない。寧ろ篠原健太先生の意図せぬ部分なのかもしれないが、雑なポリコレ批判をした人物を滑稽に描いているようにも捉えられる流れにすらなっている。それ故にSNSで一部切り取られた画像のみを見て、篠原健太先生についてアレコレ言うのはどうなのかな、と思う。
ただ全体の流れを踏まえた上でイジメをしている生徒への注意として暴力で対処する描写は「ポリコレ無視というよりはコンプラ無視では?」「敢えてポリコレというワードをチョイスしたのは何か思うところがあるからでは?」との指摘もある。ただ中には「ヒメコはキャラ的にポリコレとコンプラの違いがついてないのでは?」との感想も見かけたが、これに関してはヒメコは現国教師を目指すと決めて以降、国語の成績はクラス上位になっている、との描写があったため、仮に「ヒメコはポリコレとコンプラの違いがついてない」というのであれば、それは今のヒメコっぽくはないな、と思った。ただ流石にキャラ的な意味でヒメコは2つの違いがついてない的な描写ではないとは思う。
- 数週前には「多様性」おじさん
篠原健太先生が何故ヒメコにポリコレダブスタギャグをやらせたのかの真意は不明だが、『ウィッチウォッチ』では数週前にも買い物でタイムセール待ちをする主人公に対して「買い物の仕方が主婦すぎるだろ!」とツッコんだキャラが急に出てきた謎のオジサンに肩を叩かれて「多様性」と注意されるという描写があったため、「色々思うところはあるけど、ギャグで笑いにしながら時代に合わせていこう」的な気持ちなのかもしれない。
勿論それ自体に周回遅れ感があるのも事実ではあるが、それも時代の過度期故の部分もあり、問題意識を持とうともせずにステレオタイプな描写を続ける作者より遥かに誠実であるのも事実である。ただその誠実さ故に炎上を招いている面もあるので、SNS社会では損をするタイプなのかもしれない。
- 最後に…
2周年ありがとうございます。スケットダンスを知らない方もたくさんいると思いますが、お祭りという事で楽しんでいただけると嬉しいです。<健太>
— ウィッチウォッチ【公式】 (@WITCHWATCH_off) 2023年2月6日
兎にも角にもヒメコの「ポリコレとか知らん!」はその後のダブスタギャグの前振りであり、その流れを抑えてない感想を見かけると肯定・否定問わずに結構モヤモヤする。最後に『スケットダンス』とのコラボは来週も続くようなので楽しみにしている。
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