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今の本シリーズに「マイケル・ベイ監督要素」を求めるのは違うと分かっているのに…/『トランスフォーマー/ビースト覚醒』ネタバレ感想

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『トランスフォーマー/ビースト覚醒』を観た。

 

本作は『トランスフォーマー』シリーズの第6弾、スピンオフの『バンブルビー』を含めてるとシリーズ7作目。これまで『トランスフォーマー』シリーズは3作目から「やめる」「やめる」と言い続けてたマイケル・ベイ監督が結局5作目までメガホンを取り、「やり過ぎた」と後悔を吐露しながら降板。前作『バンブルビー』からマイケル・ベイ監督は製作側に移り、メガホンは別の監督が取るようになった。そのためこれまで「ガチャガチャ」していた画面はとてもスマートなモノになり、オーボットたちがトランスフォームするシーンもとてもスムーズ。カーチェイス中にそこら辺を舞っていた埃や紙屑も見当たらない漂白された画面。ギラギラした太陽光も感じさせない。首を引っこ抜いても噴き出すオイルの量も少ない。製作費も上映時間も3Dも常識的な範囲などマイケル・ベイ監督ファンからすると物足りないシリーズになってしまった感はある。

 

 

ただ元々の『トランスフォーマー』ファンにとっては、これまでシリーズを世界的に盛りあげてくれたマイケル・ベイ監督に感謝の気持ちはあれど、「今の方が原作に近い」と評判が良いらしい。それどころか『ロッテントマト』の本作のオーディエンスの評価が91%と過去最高数値を叩き出している事実からは、ベイ時代との興行収入の差が大きいため母数のライト層と熱心なファンの割合に違いがあることを考慮する必要はあるが、原作ファンのみならず世間的にもどうやらベイ監督がメガホンを取らない方がウケが良いことが伝わってくる。

 

 

本作のストーリーは実にシンプル。「チームプレイが苦手で人生が行き詰まっている青年」と「実力が正しく評価されないインターン」が「故郷のピンチに余裕がないオプティマス」をリーダーとするオートボットたちと共に同じ目的意識を持って世界を救う闘いをすることでそれぞれが成長する、という王道物語。オートボットと人間という「異文化交流」の面も描かれる。適度なアクションシーンも十分担保されており、若者たちの一夏の冒険を描いたSFアクションポップコーンムービーとしては「丁度いいサイズ感」の作品とも言える。

 

 

それでも食い足りなさを感じてしまうのは、作品そのものの問題なのか、それとも本人すら既に飽き飽きしているベイ監督要素を自分が無意識に求めているからなのか… ベイ監督要素を今の本シリーズに求めるのは「違う」と分かっていながら、ついつい求めてしまう自分がいる。最後に吹替版だと弟からの「クラーク・ケントも面接に落ち続けた」との励ましに主人公が「オレはクラーク・ケントじゃない、見当(ケント)違いだ」というギャグの声優を中島健人がやっている、という日本限定で別の意味のギャグにもなっていて笑った。

 

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