山崎貴監督『ゴジラ−1.0』の製作費に対する駄文。
- 山崎貴監督「10億じゃ無理」
10億じゃ無理
— 山崎貴 (@nostoro) 2023年11月13日
もっと掛かってます https://t.co/HVW8qlzfh9
どこぞでゴジラ-1.0制作費10億円説出てるみたいだけど
— 山崎貴 (@nostoro) 2023年11月13日
そんなことあるかーい
やばい逆に受け取ってる人がいた
— 山崎貴 (@nostoro) 2023年11月13日
10億じゃ作れません
山崎貴監督はX(旧Twitter)での「『ゴジラ−1.0』の制作費は10億円」という趣旨の投稿に対して「10億じゃ無理 もっと掛かってます」などと反論。投稿者に悪意はないことを前提に不名誉なデマをバラ撒かれたことで、監督本人がSNS上とはいえ本人の前に現れる流れは『ゴジラ−1.0』の展開っぽくはある。
- 海外メディアは「$15 million」と報道
it was produced for a mere $15 million
Produced at a fraction of the cost of MonsterVerse’s “Godzilla: King of the Monsters” and “Godzilla vs. Kong,” this $15 million enterprise pays stronger emotional dividends than those films.
'Godzilla Minus One' Review: Kaiju Superstar Delivers in 37th Outing
本作の制作費は非公表だが、「IGN」や「Variety」などの海外メディアは「$15 million」と報じている。ハリウッド版の『GODZILLA』シリーズの製作費はそれぞれ1.6億ドルから2.0億ドルと報じられており、その差は10倍以上だ。アメリカではこの数字を基に「ハリウッド大作と異なり僅かな予算で高クオリティなVFXを生み出す日本のレベルは高いから、ハリウッドも学ぶべき」「日本のクリエーターはちゃんと賃金が支払われているのか労働環境が心配になる」などの議論も行われているようだ。一定の信頼を置かれているメディアサイトがこうした具体的な数字を提示している以上、全くの無根拠で書いているとは思えないが、だからといって「$15 millionは今の日本円だと約22.43億円、だから本作の制作費は約22.43億円」で「そんなにかかってるんだ〜」と素直に受け取れるかと問われると微妙な所。
- 『シン・ゴジラ』は10数億円、20億円なら破格
具体的には言えませんけど、10億と言わずかかっていて、当初より増えた予算が、別の映画一本分くらいの金額になっています。
というのも東宝の市川南氏によると『シン・ゴジラ』の制作費は10億円+α程度。
《製作費は10数億円といわれており、ハリウッド映画の10分の1にも満たない》
現場は無理に無理を重ねました。本来ならこの予算では作れません。
【庵野秀明監督に聞く・動画付き】シン・ゴジラで重ねた無理とは? 今はエヴァンゲリオン最新作に… (1/2ページ) - 産経ニュース
庵野秀明監督も『産経新聞』の取材に対して「製作費10数億円」を事実上認めている。また公開当時SNSで報告されていた札幌発生上映会での島本和彦先生に発言によると、公開当時ネットで拡散されていた「15億円説」はデマで実際は「10〜15億円の間」だった(※1)という。岡田斗司夫氏は「13億円」と発言(※1)していたが、どこから得た情報なのかは不明。ただ関係者の話とは一致しているので、仮に13億円だとすると『キネマ旬報』2017年3月下旬号によると本作の宣伝費は8.9億円とされていたので、総製作費は21.9億円程度。日本映画の大作映画は10億円が上限と指摘(※2)されており、過去の山崎貴監督作品でも『永遠の0』は10億円と市川南氏により明言(※3)されている一方、『BALLAD 名もなき恋のうた』(※4)と『SPACE BATTLESHIP ヤマト』(※5)は20億円と報じられていたが、これは宣伝費を含んでいるかいないかの差なのではないかと推測される。そのため日本映画の上限は直接制作費で10億円程度、宣伝費等を含んだ総製作費は20億円程度が現実的なラインで、『シン・ゴジラ』もその範疇にあったといえるが、仮に『ゴジラ−1.0』の直接制作費が20億円を超えているのなら破格な予算が注ぎ込まれたといえる。おそらく『シン・ゴジラ』と同等であろう宣伝費を合わせるとリクープラインはかなり高くなりそうだが、アメリカで大ヒットしていることを踏まえると国内だけでなく海外も合わせて「儲けが出そう」というのは今後の再現性があるのか問題は置いといて「新時代の幕開け」感はある。ただ完全な憶測であることを前提に個人的には海外メディアが報じてる製作費「$15 million」は関係者が円安などを特に考慮せずに「『シン・ゴジラ』とほぼ同じ(もしくはそれよりちょっと上の)1500万ドルくらいだよ〜」と軽く発言したモノが正式な数字として報じられてしまった、的な可能性もあるのではないか、とは思う。
※1『シン・ゴジラ』製作費について錯綜する情報 - Togetter
※2https://x.com/tomomachi/status/739390260061175808?s=46&t=udUH1SvaWmPtCdiaLsKY1g
※3第4回:東宝のプロデューサーはあんまりマーケティングリサーチを重視していません。 - otocoto | こだわりの映画エンタメサイト
- 最後に…
『ゴジラ-1.0』レビュー: 恐怖と感動が共存する怪獣映画-THR Japan
— ゴミ雑草 (@mjwr9620) 2023年12月6日
→製作費はわずか1500万ドルだが、ゴジラが暴れまわるシーンの出来栄えは最高に素晴らしい。同様の作品に10倍の予算を費やすことを何とも思わないハリウッドの大手スタジオは、即刻日本に行って学習するべき https://t.co/MVF5nJv1KC
製作費が15億円にしろ20億円にしろ日本映画の中では破格かつハリウッド大作と比較すると1/10以下の低予算映画なのは間違いない。そのため製作規模拡大のために海外進出を目指している、という話だと思うのだが、「何十倍の予算を注ぎ込んだるハリウッド大作は日本を学ぶべき」みたいなアメリカのレビューなんかもあったりして「視点の違いなんだろうけど、多分そういうことではないと思うんだけどな…」感はあった。最後に今回の製作費であのクオリティのVFXが出来たのは、山崎貴監督らがこれまで積み重ねてきた成果であり、他の監督やスタッフが同じ予算で同じクオリティのモノを作れるのか、と問われると中々難しいのかな、そもそもここまでの大予算が用意されることはないんだろうな、とも感じた。
【追記】
東京コミコン行きました!
— 開田あや (@ayanekotunami) 2023年12月8日
会場に入るなり山崎貴監督のトークショーがあって入場料の元を取った! ゴジラ-1.0の話題いっぱい! ジュブナイルやうる星やつらの話題も出たよ。米で言われてるマイナスワンの製作費の額がどこから出たのやらわからないって…「そんなにあったらねえ」って、切ない…。 pic.twitter.com/Y8ZW6p2xEp
東京コミコンで山崎貴監督は海外メディアによる製作費「$15 million」報道を「そんなにあったらねえ」と否定したというXでの報告投稿があった。
【追記2】
山崎貴監督が語る「ゴジラ」のスター性
— ゴミ雑草 (@mjwr9620) 2024年4月17日
→視覚効果部門は聖域中の聖域。制作費15億円以下、VFXパートを35人のスタッフで生み出した作品は挑戦権すらないと思っていた
→「極東にある人数の少ないポンコツチームが頑張っているというストーリー自体が受けたんじゃないか」 https://t.co/Y2yJqiUHGO
『ゴジラ−1.0』の製作費は15億円以下。
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