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【興行収入】鈴木敏夫P「ちゃんと採算とれました」、日本で失速の宮﨑駿監督『君たちはどう生きるか』が全世界で100億円突破

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日本での興行収入が100億円割れ濃厚なスタジオジブリ・宮﨑駿監督『君たちはどう生きるか』が世界興行で100億円を突破した。

 

  • 日本では失速、100億円に届かない見通し

君たちはどう生きるか パンフレット

本作は今年の7月に鈴木敏夫プロデューサーによる「宣伝しない宣伝」という名の「情報統制」により「ポスター1枚」のみの異例の体制で公開。その結果オープニング4日間で21.49億円と『千と千尋の神隠し』超えのロケットスタート。前作『風立ちぬ』対比でも150%超えの好スタートとなった。しかし2週目の週末興行は初週から半減。3週目末で『風立ちぬ』との差は大きく縮まり、4週目では逆転された。『キネマ旬報』2023年9月号 No.1928によると東宝は当初最終興行150億円超えを狙っていたが、3週目の段階で『風立ちぬ』の120億円超えまで目標を下げたという。公開から約半年経った12月現在の段階の累計興行は85億円。勢いは止まっているに等しい。今後の賞レースの展開次第では「もしかしたら…」の可能性もあるが、興行収入100億円を割る見方が強い。

 

 

  • 鈴木敏夫P「ちゃんと採算とれました」

一方で鈴木敏夫プロデューサーは興行収入80億円を超えた9月の段階で「ちゃんと採算とれました」と明言。鈴木敏夫プロデューサーは本作の製作費について8月の段階では「今まで日本で作られたどの映画よりも、一番制作費がかかってる」と述べ、高畑勲監督『かぐや姫の物語』の51.5億円超えを匂わせていた。また著書『天才の思考 高畑勲と宮崎駿』では最終興行120.2億円の『風立ちぬ』については「劇場公開だけの収支でいえば、回収ラインに達しませんでした」と記していた。そのため鈴木敏夫プロデューサーの発言を並べていくと「本当かよ」感もある。正直本人による過去のエピソードなどから彼の発言は言葉通り受け取るよりも話半分で聞いた方がいいような気はする。

 

 

  • アメリカで初登場1位、全世界で1億ドル超えへ

ただ敢えて全ての発言に整合性を求めようとするなら、「ちゃんと採算とれました」発言の際に「僕自身、難しいと思っていたんだけれど、思いのほかそうじゃなかった。海外での上映がすごい勢いですね」と説明していたことに注目すべきなのだろう。本作は国内でこそ興行収入100億円を割る見通しだが、アメリカではオープニングだけで1280万ドル(18.61億円)を稼ぎ全米初登場1位を獲得。また10月公開の韓国では1465万ドル(21.22億円)、11月公開のフランスでは1113万ドル(16.12億円)をそれぞれ稼ぎ、全世界の興行収入は現段階で9700万ドルと日本円で140億円を突破している。アメリカの公開は始まったばかりなので、世界興行が1億ドルを超える日も近いだろう。

 

The Boy and the Heron - Box Office Mojo

 

 

  • 最後に…

そのため鈴木敏夫プロデューサーの「採算がとれました」発言も時系列的に引っかかるところもあるが、海外興行などを含めれば「そうなのかな」という気はする。ただそれより個人的に気になったのは『風立ちぬ』の際は「年間トップの興行収入でも回収ラインに達してないんですよ〜」と笑い話に出来るくらいの余裕を感じさせたのに対して、今回は「採算がとれました」と明言したこと。「宮﨑駿は終わってない」ということを世間に強調したいのかな、とは思った。

 

 

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