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ジャニーズ全滅の『紅白歌合戦』で日韓アイドル集結の『【推しの子】』主題歌・YOASOBI「アイドル」が盛り上がった皮肉

アイドル

『第74回NHK紅白歌合戦』ではYOASOBIの「アイドル」が大きな注目を集めた。

 

YOASOBIの「アイドル」は人気漫画をテレビアニメ化した『【推しの子】』の主題歌。『紅白歌合戦』のパフォーマンスでは多くの日韓アイドルがステージに集結して、極め付けにはアイドル出身で司会の橋本環奈もあのちゃんと共にネットミームにもなった有名ポーズを再現する形で登壇するなどとにかく豪華なステージだった。ただ『【推しの子】』は1話目から「捏造して、誇張して、都合の悪い部分はきれいに隠す、この芸能界において嘘は武器だ」「アイドルは偶像、嘘という魔法で輝く生き物」「嘘はとびきりの愛」「嘘に嘘を重ねてどんなに辛いことがあってもステージの上で幸せそうに歌う楽しいお仕事」みたいなアイドル業界の闇的な部分にも触れている作品。もちろん通して読めば冷笑系みたいな作品ではなく、アイドル漫画として熱い作品ではあるが、アイドルの偶像的な部分にはかなり斬り込んでいる作品。そのため主題歌もその流れを汲んでいる。

 

 

そうした背景を踏まえるとYOASOBIの「アイドル」のパフォーマンスに日韓の現役アイドルが集結して踊り、ハシカンまで登場するステージはかなりの凄みを感じる。その上、今回の『紅白歌合戦』はジャニーズ事務所の創業者兼元社長のジャニー喜多川氏の性加害問題により、旧ジャニタレの出演者は44年ぶりに全滅。「日本のアイドルといえばジャニーズ」と言っても過言ではない日本のエンタメ業界だが、今回のYOASOBIのステージにこれまで日本のアイドルの代表する存在は不在だった、という現実は中々エグい。

 

 

 「今年は視聴率が落ちるだろう。1~2%の低下ですめばいいが」。あるNHK幹部は今年の紅白について、そんな不安をこぼす。

SMAPが転機、嵐で加速 終わり迎えたNHK紅白と旧ジャニの蜜月:朝日新聞デジタル

『朝日新聞』によるとNHK幹部は今回の旧ジャニタレ絶滅キャスティングによって世帯視聴率の低下を覚悟しているようだ。実際、世帯視聴率は旧ジャニタレの有無だけでなく、テレビから配信への移行期間故に減少の可能性は高い。ただ旧ジャニタレ不在の『紅白歌合戦』が物足りなかったのか、と問われれば個人的にそんなことはなかったし、SNSの反応を見る限り満足度もかなり高い様子。そして何よりYOASOBIの「アイドル」のステージが旧ジャニタレ不在で成立して、盛り上がってしまった。そもそもジャニーズ事務所自体、今回の問題を別にしてもSMAP解散以降、嵐を含めたお茶の間的人気グループは次々と解散または休止などを選択していき、かつての「国民的アイドル」感は薄れていた。そのため今回のYOASOBIのステージからは「時代の変わり目」みたいなのを見たような気持ちにもなった。

 

 

また「捏造して、誇張して、都合の悪い部分はきれいに隠す、この芸能界において嘘は武器だ」という文脈に当てはめると、ジャニー喜多川氏の性加害問題はこれまできれいに隠してこれた都合の悪い部分が隠しきれなくなって大きな注目を集めた事件。「あまり強引に結びつけるな」と思う人もいるかもしれないが、ジャニーズ事務所が消滅したのが『【推しの子】』とYOASOBIの「アイドル」がヒットした2023年とは何か意味付けをしたくなるし、少なくとも今回の『紅白歌合戦』のステージはかなり皮肉かつ象徴的なモノになってしまった感はあった。最後にステージにアイドル出身ではない浜辺美波は登壇せずに司会に徹していて良かった、ことと現役アイドルたちの真ん中で歌うIkuraちゃんがカッコ良かった、ことを記して〆る。

 

 

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