『室井慎次 敗れざる者/生き続ける者』に織田裕二演じる青島がサプライズ出演していることを公式が発表した。
- 柳葉敏郎が見守る織田裕二の撮影
フジテレビ『めざましテレビ』のエンタメコーナーではメイキング映像も公開。公開されたメイキング映像を見ると、織田さんは撮影現場に柳葉さんが待っていることを知らなかった様子で、驚きながら挨拶。柳葉さんも「ありがとうございます、引き受けて頂いて」みたいな出演への感謝の気持ちを言葉にしながらハグ。本番直前の本広克行監督の「いいっすね、変わらん、変わらん」と興奮している様子も織田さんの演技を笑顔で見守る柳葉さんの表情も良い。オールアップすると柳葉さんの方から織田さんに花束を渡して「逆じゃないですか、本当は」とツッコまれながらも、再びハグをする様子も熱かった。
- 織田裕二と柳葉敏郎の不仲説
《自分なりに室井を探りながら演じてきた。なのに主役の青島刑事を演じる織田(裕二)君に「それ違うんじゃない」って言われてね。それで「ぶっちん」きましてね。そう言われてはやっていけない、もう責任を持ってできない、と思った》(朝日新聞秋田版2007年7月14日付)
《当時は顔もみたくなかったけど、いまは織田君に感謝ですね》(同紙)
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織田さんと柳葉さんにはかねてより「不仲説」があった。柳葉さんは織田さんと演技論でぶつかり合い(後に柳葉さんは織田さんに「俺の聞き間違いかも知れないんだけど…」とした上で本音トークを行い、織田さんは「それ、聞き間違いっすよ」と否定)、「顔も見たくない」というレベルまで険悪な状況(ただ織田さんの方は柳葉さんがカチンと来て殉職案まで出していたことに「ほんとですか!?」と驚いていたので、バチバチやってるつもりだったのは柳葉さんの方だけだったのかもしれない…)になったこともあるという。
実際、「現場でバチバチだった」と本広監督。「織田さんと柳葉さんは芝居のアプローチが違うので、ぶつかるのは当たり前。そうならずに飄々とやっていたとしたら、ビジネスでこなしているだけ。ただ、青島と室井は水と油のキャラクターなのでぶつからないと始まらない。それを本当にやってくれたのでよかった。」
君塚氏が「現場で口喧嘩になるようなこともあったの?」と突っ込んだ質問をすると、監督は「黙ります」と暴露。
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また今年9月に『踊る大捜査線 THE MOVIE』が地上波で放送された際にXのスペースで配信されたコメンタリーでは本広克行監督も織田さんと柳葉さんが演技論でぶつかり合っていたことを認め、現場で口喧嘩になるようなこともあったことを事実上認めた。本広克行監督はそうした2人のバチバチな関係性を「演出に応用させてもらってた」と肯定的に振り返っているが、周囲の人からすれば2人の関係性には相当気を使うモノがあり、「不仲説」が浮上してしまうのもやむを得ない感じ(というか過去の発言的に柳葉さんの方は織田さんに敵対意識バリバリ)だったのだと推察される。一方で柳葉さんの発言的に2007年の段階では既に「当時は顔もみたくなかったけど、いまは織田君に感謝ですね」と発言しており、2012年の『踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望』でも対談など宣伝活動も2人で積極的(その際に前述した柳葉さんサイドのかつての織田さんへの怒りについても話していた)にしていた。そのため今も別にプライベートで会うほど仲が良いみたいなこともないのだろうけど、若い頃にバチバチにやり合って険悪な時期もあったけど、今はかつての戦友としてリスペクトし合っている、的なのが実際のところなのではないか、と感じる。
以下『室井慎次』二部作のネタバレ注意
- 青島と室井が再び並ぶ可能性
またコメンタリーでは本広克行監督は2人の共演NG説に「そんなことはないと思うけど、ちょっと『室井慎次』のネタバレになるようなことを今、誘導されそうになった(笑)」と発言していたが、映画本編では室井と青島の絡みはなく、何なら室井が亡くなった後に登場するなど「いや、本広監督、話が違うんだけど…」と不満に思ったりもしたが、本広克行監督はあの撮影現場に柳葉さんがいたことを認識した上での発言だと思えば納得。一方で織田さんと柳葉さんが他の作品で共演する可能性があっても、『踊る大捜査線』で青島と室井という関係性で共演する可能性がほぼゼロに等しくなってしまった現状が改めて悔やまれたりもする。一部では直接的に室井の死についての言及や描写がないことやラストの子供たちを乗せた車の運転手の顔が明かされていないことから「実は室井さんは生きてるのではないか」との考察もあるが、『ODF』の本広克行監督と深津絵里さんの間でだけ「死んだこと扱いになっていたすみれさん」と異なり、今回は君塚良一さんが 「柳葉敏郎さんを、室井役から解放してあげたい」との意図を亀山千広プロデューサーが了承した上で脚本を執筆した作品なので、中々難しそうだし、仮に「生きてました」では「じゃあ、この室井二部作って本当に何だったの?」感も半端ない。
- 最後に…
そうは言っても、青島と室井が再びスクリーンに帰ってくるなら「実は生きてました」でも「良いかな」と思っている自分もいる。最後に評価している人には申し訳ないが、『室井慎次 敗れざる者/生き続ける者』の本編よりも撮影現場での柳葉さんのスピーチや本広克行監督の涙、織田さんと柳葉さんのバグなどメイキングの方が熱く、楽しかった、というのが悲しいところだ。
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