2021年9月25日(土)にフジテレビの『土曜プレミアム』で昨年公開されて興行収入400億円以上を記録して日本興行収入ランキング歴代1位を更新した『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』が世界最速テレビ初放送された。
- 長時間電車に乗ってる時の擬似体験ができる放送
鬼滅「無限列車」提供スポンサー怒濤の28社 煉獄VS猗窩座戦23分間はCMなし https://t.co/VJdoQy18It
— ゴミ雑草 (@mjwr9620) 2021年9月26日
今回のテレビ初放送ではCMが頻繁に挟まれることから『無限列車編』にちなんで「各駅停車」というワードが放送中にトレンド入りした。その一方で「スポンサーが『乗車料金』を肩代わりしてくれてるんだから『無賃列車』の癖に文句を言うな!」というこれまで作品内容に沿った擁護意見も出た。実際にどの程度CMが頻繁に挟み込まられたのかを調べてみると以下の通り。
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こう並べてみるとかなりコンスタントにCMが差し込まれていたことが分かる。酷い時は前のCMの6分後に再びCMを流している。一方で裏番組の流出率も流入率も高いとされる「22時跨ぎ」「23時跨ぎ」の時間はキッチリと本編を放送しており、特に「23時跨ぎ」の時間にあたる「猗窩座戦」は「CM無し」のノンストップ放送となっていた。スポーツ中継でも試合の重要パートとなる後半にCMを少なくするために、前半でコンスタントにCMを挟み込むことで消費していくというスタイルはよくみるが、それと同じ戦法だったのだろう。
前半で頻繁にCMが挟み込まれてイチイチ本編が止まるも、クライマックス近くでやたらとCMに入らない時間があり、それが過ぎるとかなり長い間CMが流れるというのは、「前半はちょっと進んでは頻繁に駅に止まるけど、終点に近くの区間では全然次の駅なくて止まらなかったな… ただ終点手前にやたらと長く止まる駅があった」みたいな、「長時間電車に乗ってる時あるある」を擬似体験させてくれるような放送だった。
- 煉獄さん死亡シーン直後に「パワプロ」CM
『鬼滅の刃 無限列車編』のテレビ初放送、「煉獄さん…」と感動した直後のCMで煉獄さんが「甲子園を目指す!」とか炭治郎が「オレが消しゴムに!?」とか、こんなの笑わしにきてるだろ…#鬼滅の刃
— ゴミ雑草 (@mjwr9620) 2021年9月25日
民放の映画放送ならCMが入って当然であることは大前提に煉獄さんの死亡シーン直後に「よもや よもやだ まさか我々が高校野球とはな!」と『鬼滅の刃』とコラボしている「パワプロ」のCMが流れたのは「もう少し流すCMのタイミングや順番を考えてくれ…」と思わざるを得なかった。こういうことが起きてしまうのが地上波放送映画のデメリットであり、これにより感動が吹っ飛び「映画館で映画を観ることの幸せ」を再認識した人も少ないはず。ただ自分を含めた2回目以上の人からすると、こういうことを同じタイミングで味わえるのも、良くも悪くも地上波放送映画の醍醐味ともいえ、個人的には強く批判したいとかそう言う気持ちはない。
- CMは多かったのか?
ネットでは今回の放送に対して「CMが多かった」という意見をよく見る。実際上映時間1時間57分に対して、放送時間は21:00〜23:40と2時間40分の枠が取られており、単純計算で40分近くCMが流れていたことが分かる。これが一般的に長いのか、そうでもないのかを判断するために過去に本作同様にフジテレビでエンディングまでノーカット放送された映画の上映時間と放送時間を調べてみると、『翔んで埼玉』が上映時間1時間46分に対して放送時間が2時間20分となっていた。そう考えると、上映時間が『翔んで埼玉』より11分長い本作の放送時間が『翔んで埼玉』より20分長いというのは「やっぱりCM多かったんだな…」ということを裏付けるような感じもする。また日テレまで範囲を広げると『ハウルの動く城』が上映時間1時間59分とほぼ本作と同時間だったが、放送時間は2時間29分と本作より11分短かった。ただ今回の放送では本編以外にも新作のプロモーション映像があったので、そこら辺も加味すると「まー、ちょっと長かったかもね」くらいの話なのだろう。前述したCMが頻繁に入れる構成が、体感時間を長くしていた面もあったように思う。
- 最後に…
メガヒット作品の初放送は盛り上がって楽しいので、またいつか記録を塗り替える映画が登場して欲しい。