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「あいつだけは変わらずにいてくれた」、『ルパン三世 PART6』の「EPISODE 0 -時代-」で小林清志が最後の次元

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2021年10月10日より『ルパン三世 PART6』の放送が開始された。本作はアニメ化50周年記念作品であり、「原点回帰」かつ「次の50年に向けた作品」をコンセプトにした「ミステリー」仕立ての「緑ジャケット」の「ルパン三世」だと事前に宣伝されていた。

 

  • 次元の声優交代

また本作はシリーズ開始から50年間、次元大介役を演じてきた小林清志さんが降板するということでも注目を集めていた。小林さんの演じる次元に対しては近年、特に2019年11月に放送された『ルパン三世
プリズン・オブ・ザ・パスト』が放送された際には「聞きづらい」等(参照:金曜ロードショーで『ルパン三世』TV新作SPが放送、「次元の声」を巡り色んな意見が飛び交いトレンド入り - Togetter)の厳しい意見がSNSでは目立っていた。そしてこれらの声に気にしてたのか、同年12月公開の山崎貴監督によるシリーズ初の3DCG作品『ルパン三世 THE FIRST』の初日舞台挨拶で小林さんは以下のような発言をしていた。

48年間、次元大介の声を担当している小林は「これからも、もう少しやらせてもらいたい」と言うと、会場のルパンファンたちも大きな拍手。「だけど、もうすぐ逝っちゃうから安心して。そんなに長いことじゃあないよ」と冗談まじりで語っていた。

小林清志、48年間担当の次元大介は「もう少しやらせてもらいたい」井上真樹夫さんを追悼 | ORICON NEWS

この発言を聞いて「確かに前に比べると声が弱々しくはなったけど…」くらいの認識だった自分は、「もう死ぬまでやって欲しい」と思っていた。ただ前述した通り、新作での小林さんの降板が発表され、同時に発表されたコメントも「90歳までやっていたかったが残念」と無念さを滲ませるもので、その決意に至ったまでの経緯や心境を勝手に想像しては結構悲しい気持ちになっていた。

 

 

  • 次元「とうとう俺も潮時かもしれねえな」

ただ長寿アニメには声優の世代交代はつきもの。ポジティブに受け取ろうと「PART6」の初回放送を見ると、冒頭から次元の映像とセリフから始まり、宣伝とは異なる青ジャケットのルパン三世が目に入る。そして次元が「とうとう俺も潮時かもしれねえな」という意味深なセリフを発する。「次元の声優は交代するみたいな報道を見たけど、初回から随分と次元にメタ的にスポットを当てた入り方だな… アレ、これもしかして…」とCM中に調べてみると、やはり「EPISODE 0 ―時代―」と題した小林さん最後の次元回。「声優交代は仕方ないにしても、せめて最後に小林さんの演じる次元のテレビスペシャルとか作ってくれないかな…」と思っていた自分からすると何かが救われたような気持ちにもなる回だった。

 

 

  • ルパン三世「あいつだけは変わらずにいてくれた」

そんな最後の次元回は冒頭の「潮時」発言から、次元の撃った弾が最新のドローンに避けられ、プラスチックのおもちゃ銃を渡されても手が震えて撃つ気が起きず、上等な酒を飲んでも違和感を覚え、泥棒の世界から足を洗おうとする姿が描かれる。この演出は今回がシリーズ開始から次元を演じた小林さんが、近年はその声に厳しい意見も目立ち、ついには降板が決まったという一連の流れを踏まえていれば、サブタイトルの「時代」と合わせて全てがメタ的に作られていることが分かる。そして次元が足を洗うことに反対の五右衛門に対してルパンは酔っ払いの戯言として「時代が変わりゃ 自分も変わる 俺はそうやってきた けど次元大介って男だけはそんな俺を黙って受け入れてくれた あいつだけは変わらずにいてくれた だから俺は俺でいられたのかもしれねえ ならよ あいつがどうしようが黙って受け入れんのが筋ってもんだろ」と語る。ルパン三世の声優は初代の山田康雄さんが急死して突如穴埋めとして「ものまねタレント」の栗田貫一さんが声を吹き込み、その後のシリーズを受け継いだ。それに対しては批判意見もあり、プレッシャーも凄かったという。そうした状況を支えてくれたのが銭形役の納谷悟朗さん、石川五右衛門役の井上真樹夫さん、峰不二子役の二階堂有希子さん、そして次元大介役の小林さんといったベテランチームで、その中でも小林さんはずっと見守っていてくれた存在だった、と本人がインタビューで語っていた。そしてこのセリフを次元の前ではなく、声優が3代変わっている五右衛門の前で語るというのも、小林さんへの感謝と共にこれからもシリーズは繋いでいくという宣言に聞こえて個人的には良いシーンだと感じた。

 

 

  • 最後に…

2008年に発売されたOVA『ルパン三世 GREEN vs RED』でも声優交代をメタ的にみせているのではないかと考察されるシーンがあったが、それから13年が経ち、ついに次元役も交代することになった。寂しい話ではあるが、来週から始まる全員初期から声優が変わった新チームの『ルパン三世』を楽しみたいと思う。

 

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