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【ネタバレ感想】「全ての運命が集結する」、トム・ホランド主演・MCU版『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』の救済

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ネタバレ注意

『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』を観た。ネタバレ厳禁の映画なので、未鑑賞の人は以下は読まない方がいい。

 

  • 「全ての運命が集結する」

アベンジャーズ (吹替版)

2012年『アベンジャーズ』公開当時、「『アベンジャーズ』って何なの?」「アメリカには『marvel』っていうアメコミの出版社があって、そのコミックスの『アイアンマン』とか『キャプテンアメリカ』みたいな主人公ヒーローたちは全員同じ世界に居るからチームを組んで戦うんだよ」「コラボってこと?」「うーん、コラボとはまた少し違うんだけど、そういう認識で間違ってない。あの『スパイダーマン』も原作では『アベンジャーズ』のメンバーなんだよ!」「じゃあ、『スパイダーマン』も『アベンジャーズ』の映画に出るの!?」「いや、それは〜」みたいなやり取りをよく見た記憶がある。

スパイダーマン (吹替版)

『MARVEL』は過去に経営危機で『スパイダーマン』の実写映画の版権をソニー・ピクチャーズに売ってしまったことで、『MARVEL』が独自に展開する『MCU』にスパイダーマンは出演出来ないという経緯があった。一方で皮肉にも『アベンジャーズ』公開されてメガヒットを記録したのと同じ夏に、ソニーがリブートした『アメイジング・スパイダーマン』の興行収入は期待値に及ばなかった。そして『アメスパ』は2作目が公開されるも、その後ソニーとディズニーがMCUにスパイダーマンを参加させる提携を結んだことで、シリーズは事実上の打ち切り。そのため、トム・ホランド主演のMCU版が公開されることで、サム・ライミ監督版と『アメスパ』シリーズが「過去の作品」扱いになるのに理解を示しながらも複雑な想いを抱えていた人は少なくないはずだ。

そうした想いを少なからず抱える人がいる中で公開された最新作『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』は、過去2シリーズを「なかった」ことにするのではなく、別ユニバースに「あった、そして今もあり続けている」ことを示す作品だった。

 

 

  • ヴィランたちの「救済」

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本作ではサム・ライミ監督版からグリーン・ゴブリン、ドクター・オクトパス、サンドマン、『アメスパ』シリーズからリザード、エレクトロと5人のヴィランが登場。更に本編では予告編では伏せられていた、それぞれのシリーズのスパイダーマンも登場し、正に「同窓会」状況。それぞれ不運な形で人生の道を踏み外してしまったヴィランたちを「倒す」のではなく「救済」していく物語は、根っからの悪者ヴィランが少なく『スパイダーマン』映画らしく、薬物依存で問題になっていロバート・ダウニーJr.を『アイアンマン』役に抜擢したMCUらしい「セカンド・チャンス」の物語だった。

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個人的に『スパイダーマン2』で制御チップの故障で暴走するも、最後は理性を取り戻し実験装置と共に海に沈んでいったドクター・オクトパスがピーターたちを助けてサム・ライミ監督版のピーターと再開するシーンと『アメイジング・スパイダーマン2』で電気うなぎの水槽に落ちてヴィラン化するもシリーズ内では消化不良に終わってしまったエレクトロと『アメスパ』のピーターが和解するシーンはグッと来た。グリーン・ゴブリンも相変わらずお面をゴミ箱に括り付けて葛藤してるのは愛らしく、またサム・ライミ監督版のピーターがMCU版ピーターから彼を守った姿も「もう二度とハリーの父親を死なせない」という想いが伝わって良かった。その反面、前シリーズの敵対モード時のヴィランではなく和解モードに至ったサンドマンとリザードも再び暴走してるのは、自身の理解が足りないのか少し「?」な気もする。またニュー・ゴブリンやヴェノム、『アメスパ』のグリーン・ゴブリンが出演しなかったのは、色々あるのだろうが、やや違和感も感じた。

 

 

  • アンドリュー・ガーフィールドのスパイディ

アメイジング・スパイダーマン (吹替版)

自分が本作で一番泣けたのは、アンドリュー・ガーフィールド演じるスパイディことピーター・パーカーが再登場したシーンだった。サム・ライミ監督版もソニーとのトラブルによる打ち切りである反面、『スパイダーマン3』でピーターとMJとハリーの物語には決着が付き、やり切った感もあった。その一方で『アメスパ』シリーズは2作目公開後に3・4作目の公開日が発表されていたにも関わらず、前述したようにMCU版の制作により打ち切りが決定。当時、アンドリュー・ガーフィールドが「自分がもうスパイディのコスチュームを着ることはないよ」みたいな発言をしたらしいという報道を見て結構悲しい気持ちになっていた。だからこそ、本作で再びアンドリュー・ガーフィールドがスパイディのコスチュームに身を包み、壁を這っている姿を見た時は「良かったね」とちょっと嬉し泣きをした。

アメイジング・スパイダーマン2 (吹替版)

またメイおばさんを失ったピーターが「僕の気持ちは分からない」という発言した際に画面に映るのがアンドリューの複雑な表情の方だったのも良かった。『アメスパ2』のラストの後に復讐心で人を殴るようになった(字幕は誤訳で実際は「ヴィランへの手加減をやめた」で「ヴィランに冷酷で無慈悲になった」くらいのニュアンスらしい)という事実は残念だが、『アメスパ』の1作目ではベンおじさんを失ったピーターはサム・ライミ監督版のピーターとは異なり、人助けではなくグウェンに正体を明かす前までは復讐に力を使っていた。その点を踏まえると、もしかしたら『アメスパ3』は復讐に走ってしまい葛藤するピーターを描き、ラストでは本作でMJを救ったように、その世界で出会うMJの危機を救うことでグウェンの死を本当の意味で乗り越えて前に進む物語が用意されていたのではないか、そしてそれを本作でやってくれたのではないか、などという妄想をしてしまった。だから、今回の闘いを機に元の世界に戻ったアンドリュー演じるピーターは、きっとグウェンの卒業式でのスピーチ通り、誰かの「希望」となるべくスパイダーマンの活動を再開させたのだろう、と思い勝手に報われた気持ちになった。

 

 

  • 最後に…

ピーター達による、それぞれの『スパイダーマン』シリーズのネタの応酬は「あざとさ」を感じながらも、嬉しかった。最後に、死ぬ直前に戻ったグリーン・ゴブリンとドクター・オクトパスはピーターと和解した別ルートを妄想するのも楽しいかもしれない。

 

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