スポンサーリンク

リネットが信じた「愛」の秘密は…/アガサ・クリスティ原作、ケネス・ブラナー監督・主演作品『ナイル殺人事件』ネタバレ感想

映画チラシ『ナイル殺人事件』5枚セット+おまけ最新映画チラシ3枚 

『ナイル殺人事件』を観た。

 

  • 『オリエント急行殺人』に次ぐシリーズ第2弾

ナイルに死す (クリスティー文庫)

オリエント急行殺人事件 (字幕版)

本作はアガサ・クリスティの人気ミステリー小説『エルキュール・ポアロ』の中でも人気が高い『ナイルに死す』を2017年に公開された『オリエント急行殺人事件』に続きケネス・ブラナー監督・主演で実写映画化した第2弾。前作の「汽車」に続き、舞台の「豪華クルーズ船」を筆頭とした豪華な美術やエジプトの風景、オールスターキャストがスクリーンを彩り、画面を眺めているだけでチケット料金の元は取れる作品となっている。

 

 

  • サイモン・リネット夫妻と元婚約者の不穏な空気

そんな本作、自分は「『ナイルに死す』は殺人事件が起きるまでが長い作品だが、それまでに展開される人間ドラマこそが肝なのだ」的な紹介文を知ったうえで鑑賞した。実際、他のミステリー作品より最初の殺人事件が起きるまでは長かったような気もする。しかし、それまでに展開されるサイモンに婚約を破棄されたことで彼とその妻・リネットをストーキングし、復讐を企むジャクリーンらによる不穏な物語は「一体、この中で誰が殺されるのだろう」という興味関心を刺激し、飽きさせない。

 

以下ネタバレ

 

 

  • リネットの信じた「愛」の秘密は…

そしてジャクリーンに完璧なアリバイがある時間帯にリネットが殺されることで事件は起き、複数の被害者を出すもポアロによって真相が明かされる。犯人はリネットの夫・サイモンで、共犯者はジャクリーン。実は2人ともずっと愛し合っており、リネットの莫大な遺産を手に入れるために殺人計画を実行したのだという。リネットは莫大な富を有しているだけに、周囲にも金目当てで近づいてくる人が多く、真に人を信用できない人間だった。そしてようやく手に入れたと思った「愛」は、別の「愛」によって作り出されていた自身を陥れるための「罠」だったというのはあまりにも切ない。殺人事件が起きるまでに描かれていた3人の物語も2回目はまるで意味合いが違う物語に見えるという構成なのも切ない。

 

 

  • 最後に…

映画館を出て本作のポスターが偶々に目に入ると、リネットが中心に堂々と立っているデザインで少し悲しくなった。

 

  • 関連記事

mjwr9620.hatenablog.jp

mjwr9620.hatenablog.jp