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蒼葉「登場なし」も原作とは逆の後味でドラマ版の魅力を提示、道枝駿佑版『金田一少年の事件簿 白蛇蔵殺人事件』ネタバレ感想

金田一少年の事件簿R(11) (週刊少年マガジンコミックス)

道枝駿佑版『金田一少年の事件簿 白蛇蔵殺人事件』ネタバレ感想。

 

  • 「日本謹製」に相応しい「和風テイスト」の事件

本事件は原作『金田一少年の事件簿R』の10〜11巻に収録されている全11話の長編事件。File2『聖恋島殺人事件』に続いて2010年代に連載された『R』シリーズからの初ドラマ化事件となる。本作の特徴は「白蛇」「白頭巾(ドラマでは黒マスク)」「酒造」「樽」とじっちゃん(金田一耕助)の世界観を連想させる「和風テイスト」の作品で、世界配信を前提に「日本謹製」を謳う道枝駿佑版でドラマ化するのに相応しい事件といえる。

 

 

  • 「樽」を使ったトリックの解説が分かりやすく

一方で全15話の原作を前後編で描いた『聖恋島殺人事件』とは異なり、本事件は全11話を1話完結まとめていることから初回『学園七不思議殺人事件』同様に謎解きに終始した駆け足になってしまうのではないかという危惧はあった。しかし放送された作品は「兄弟だから同じ声色を作れるんだよ」などのドラマ化では無理が出そうな設定を省きながら上手く1話完結の物語に落とし込めていたように思う。尺の関係で金田一あるあるの自らが犯人のやったトリックを実際にやってみせるパフォーマンスがカットされていたのはやや残念だが、その分「樽」を使ったトリックの解説は実写にしたことで理解しやすい表現になるというプラスがあって良かった。

 

 

  • 原作の人気キャラ・蒼葉「登場なし」も…

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それとは別に本事件は放送前から原作ファンからは漫画担当のさとうふみや先生が連載当時『艦これ』にハマっていたことから登場したと思われる『金田一少年』シリーズ屈指の陽キャラ「姫小路蒼葉」が登場しないことに失望の声が上がっていた。これは蒼葉が人気キャラクターなだけでなく、彼女の存在によって事件の後味が大きく変わるからだった。そのため自分は放送前は「蒼葉がいない時点で今回はイマイチだろうな…」と思っていた。しかし本事件は原作でいうところの蒼葉の母親である女将の顛末を変更して、そもそも原作の後味とは違うところに着地させていたので「コレはコレで良し」という気分になった。何となく堂本剛版の原作の長編を変更込みで強引にまとめた『異人館ホテル殺人事件』等の1話完結の事件のテイストを思い出した。

 

 

  • 最後に…

「白蛇の呪い」は原作では「ギャグ寄りに始まり、後味の悪い結末を迎える」だったのに対して、ドラマ版はその逆となっていたのが面白かった。

 

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