2022年2月25日(金)、2年以上の公開延期を経て、ようやく『ナイル殺人事件』が公開された。
- 『オリエント急行殺人事件』を下回るスタート
本作はアガサ・クリスティの人気ミステリー小説『エルキュール・ポアロ』シリーズの中でも人気が高い『ナイルに死す』を2017年に公開された『オリエント急行殺人事件』に続きケネス・ブラナー監督・主演で実写映画化した第2弾。前作より評判の高い本作だが、オープニング興行収入は土日2日間で1.24億円と、最終興行16.2億円を記録した『オリエント急行殺人』の2.26億円を下回るスタートに… これは全米も同様の傾向らしい。前作は12月公開と年末年始で数字を伸ばすことができたが、今回は2月公開なので春休みはあれど大人のまとまった休暇は基本的にない時期なので、前作ほどの伸びも期待出来なさそうだ。まー、大体この手のミステリー映画シリーズで2作目が1作目を興行的に上回るということは珍しいのである程度は想定内といえば想定内なのかもしれないけど、10億円未満の興行となればやはり物足りない。
国内映画ランキング(2017年12月9日~2017年12月10日) - 映画.com
- 続く洋画不振と海外旅行映画
【#ポアロと旅するエジプト】
— 20世紀スタジオ (@20thcenturyjp) 2022年2月13日
🇪🇬ナイル川
「エジプトはナイルの賜」…
そんな言葉があるように
古代文明を育てた世界最長の河川
本作に登場するカルナック号のモデル、
蒸気船スーダン号は復元され
現在もクルーズを楽しむことが可能🚢
『#ナイル殺人事件』のミステリー・クルーズもお楽しみに✨ pic.twitter.com/cm7PxK7dqI
昨年度過去最低の興行収入だった洋画。今年度は序盤こそ『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』『マトリックス レザレクションズ』『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』と興行収入10億円超えのヒットが続くも、2月以降は公開規模や過去の実績から10億円以上のヒットが期待できる『ゴーストバスターズ アフターライフ』や『ウエスト・サイド・ストーリー』が不発。そして本作も10億円に届かない見込みと依然洋画は厳しい状況が続いている。余談だが、コロナ禍以降は海外旅行に行く機会が減ったからか『TENET テネット』『ワイルド・スピード ジェットブレイク』『007 ノー・タイム・トゥ・ダイ』『コンフィデンスマンJP 英雄編』と海外の風景が楽しめる作品がヒットしている。そのため本作もエジプト旅行とクルーズ船旅行の気分を楽しめる映画として需要があるのかとも思ったが、そんなことはなかったみたいだ。もしかしたらクルーズ船がネガティブな方向に…、とも思ったが、流石にそれはコロナに強引に結びつけすぎという話だろう。
- 最後に…
ちなみに本作は「映画館だけだ公開」というコピーのCMを流している。コロナ禍以降の配信オンリーもしくは同時配信の作品が増えた今では、このコピーすら宣伝の一つの要素となるのだろう。映画館で映画を観ることに価値を置いている身からすれば力強いコピーだが、他に同様のコピーを打ってた映画は『フリーガイ』に『キングスマン:ファースト・エージェント』、『ウエスト・サイド・ストーリー』と本作含めて20世紀スタジオの映画。でも20世紀スタジオはディズニーの… これ以上はやめておこう。
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