「ガッキーをガッキーと認識していないくらいの小学生の心に残ればいいな」と思った山崎貴監督『ゴーストブック おばけずかん』感想

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山崎貴監督最新作『ゴーストブック おばけずかん』を観た。

 

  • 山崎貴監督、デビュー作品以来のジュブナイル映画

がっこうのおばけずかん (どうわがいっぱい)

本作は小学校の図書室でいつも貸出中故に「大人が知らないベストセラー」というコピーのついている童話絵本『おばけずかん』シリーズを山崎貴監督が実写映画化した作品。原作発表は2013年で、2020年にはテレビドラマ化及びテレビアニメ化もされている。劇場で配布していたお試し本を読む限り、絵本と言っても絵がメインではなく文章の割合も多く、自分の世代でいえば(今も新作が出続けているみたいだが…)『かいけつゾロリ』みたいなポジションの作品なのかな、と勝手に認識している。

 

 

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原作についてはお試し本をパラパラと読んでみただけの未読だが、監督のインタビューを読む限り膨大な原作エピソードの中から好きなおばけを選んで自由にストーリーを組み立てた様子。どの程度原作のエッセンスが残ってるかは不明だが、ほぼオリジナル作品と言っても過言ではないのかもしれない。そこら辺の塩梅は不明なのでこれ以上は控えるが、本作は山崎貴監督にとってはデビュー作品『ジュブナイル』以来20年以上ぶりのジュブナイル映画。「原点回帰」かつこの20年間でヒット作品を連発したことによる信頼から得た日本映画の中ではトップクラスのバジェットを注ぎ込んだ作品はどうなるのかと期待を胸に劇場に向かった。

 

※本作には『ジュブナイル』で主人公とヒロインだった遠藤雄弥さんと鈴木杏さんが本作の主人公の両親役で友情出演しており、テトラが一瞬映り込む

 

 

  • メインターゲットは「子供」

近年、Netflix配信の『ストレンジャー・シングス』を筆頭に今年2月日本公開の『ゴーストバスターズ アフターライフ』などジュブナイル映画ブームの雰囲気がある。しかしこれらの作品は基本「80年代リバイバル」がコンセプトにあり、メインターゲットはリアルタイムの「子供」ではなく80年代に幼少期を過ごした「大人」もしくは80年代に憧れを抱く「若者」に向けられているような気がする。一方で本作のメインターゲットは監督がNHKの番組に出演した際に「子供に媚びた」という趣旨の発言をしていたことからも分かるように明確に「子供」。これは興行的には不利になる要素なのかもしれないが、「ジュブナイル映画」がちゃんと「子供」に向けられて作られること自体はとても良いことだと思った。勿論、自分は既に小学校をとうの昔に卒業しているためリアルタイムの小学生がこの映画を楽しんでいるのかどうかの判断はつかないが、まだガッキーのことをガッキーだと認識すらしてないくらいのリアルタイムの小学生が夏休み映画として楽しんで「自分も友達と一緒に冒険をしてみたい!」とか「夏休みは友達と一緒にカレーを作って食べてみたい!」と思えたのだとしたら、それはとてもいいことなのだろうな、などと感じた。

 

※リアルタイムの小学生が本作を観て劇中のTシャツ同様「令和だよ」と冷めた視線を向けられる可能性もアリ

 

※ガッキー演じる小学校の先生が30歳なのは『ジュブナイル』をリアルタイムで楽しんだ世代へのサービスかつ「もし今人生が上手くいってないなら、子供時代を思い出して頑張って!」というメッセージなのかな、とかは思った

 

※子役の代表格だった神木隆之介が子供を誘い込む側に回ってる配役が面白かった

 

以下ネタバレ注意

 

 

  • 最後に…

本作のラストで友達4人組はガッキー先生と共に過ごした思い出を忘れてしまう。彼ら彼女らはそのことを何処か寂しく思いながらも「でも心の中には残ってる」と結ぶ。もしかしたらそれこそが「ジュブナイル映画」の役割なのかもしれない。

 

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