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【愛国ポルノ?】ベキ「日本には考えの違う相手を尊重する美徳がある」、堺雅人主演・日曜劇場『VIVANT』最終回のモヤモヤ

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日曜劇場『VIVANT』の最終回が放送された。

 

本作は福澤克雄監督のTBS定年退職記念として製作されたドラマ。まず一局員の定年を機に『半沢直樹』の堺雅人、『下町ロケット』『ドラゴン桜』の阿部寛、『陸王』の役所広司、『ブラックペアン』の二宮和也など主演級キャストか集結し、オリジナル脚本を大予算を投じて映像化したこと自体は凄いと思うし、福澤監督の人望も感じる。

 

 

また「出世レースから外れた周囲からダメリーマンだと思われている男が、実は影から日本を守る秘密組織・別班の構成員だった」「実は敵組織のトップは主人公の父親だった(『スター・ウォーズ』のルークとダースベイダー)」「主人公は裏切り者かと思いきや日本のために仲間を裏切ったフリをしたスパイだった(『ハリー・ポッター』のスネイプ)」など物語は良くも悪くも中学生の妄想みたいな内容だが、ジェームズ・キャメロン監督の『アバター』同様にそれを妄想で終わらせず大真面目に映像化してエンタメ作品として成立させたことも素晴らしい。

 

 

一方で作品全体が放つメッセージがちょっと「愛国ポルノ」過ぎないか、とのモヤモヤも生じた。ラストで乃木が自己保身のために自分の家族を崩壊させた人物を救うために父親であるベキを銃殺した点については、ノコルに伝えた諺「皇天親無く惟徳を是輔く」の意味的に「実は死んでない」可能性が高い。ここの違和感は続編へのバトンの意味が大きいのだろう。ただ最終回でベキが語った「日本には考えの違う相手を尊重する美徳がある、だからバルカ共和国も日本のように〜」みたいなセリフは「そもそも今の日本って考えの違う相手を尊重する国か?」というのは置いといても「発展途上のバルカも日本のように素晴らしい国になるように、我々が導いてあげなくては」的な傲慢さを感じさせるにも関わらず、普通に「良い話」として描かれているように思えて「…」となった。

 

 

本作は3部作構成らしいが、続編も「我々が愛する素晴らしい国・日本を汚す悪人(具体的には橋爪功が演じてた内閣官房副長官)らは許さない!」のノリで進むのだろうか…

 

 

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