『FF7リバース』の終盤ではエアリスが「夢の世界」と称する謎の空間でクラウドとのデートが描かれる。
- 全然上手くいかないエアリスとクラウドのデート
※エアリスとクラウドの散々なデート
しかしそこでのデートは全然上手くいかない。エアリスはクラウドに装飾品を選んで貰うとするが、クラウドが選択したモノは店主の「お気に入りの品」で手に入れることは出来ない。また次のお菓子屋さんでは「新作」を勧められるが、これは完全な失敗作で店主は「最後だと思って冒険してみたんだけどね やっぱりダメか こりゃ前途多難だねえ でも時間はなさそうだ」と評する。更に2人で写真を撮って貰うと思うもカメラマンからは「カップル感の欠如」を理由に撮って貰うことが出来ず、最後にエアリスが「思い出の場所に行こう」と提案してもクラウドは「どこだ?」と見当が付かない様子。挙げ句の果てにエアリスの「好きな場所」をヒントに「思い出の場所」を当てたクラウドは「簡単過ぎる」と述べるが、エアリスは「思い出少ないからね…」とネガティブな解釈をする散々振りだ。
- エアリスとクラウドはカップルに相応しくない?
※エアリスのクラウドへの「好き」の正体は…
この謎のデートシーンの意図は何だったのだろうか。ここでエアリスのクラウドに対しての気持ちを整理すると「エアリスは初恋の相手と似ているクラウドに興味を持って近づいたが、クラウドと共に冒険をしていく中でクラウドそのものに好意を抱くようになった、しかしその好意の正体は恋心かは分からない」という感じ。この認識をもとにデートシーンの意図を読み取ろうとすると「クラウドの選択した装飾品は店主のお気に入り」というのは「クラウドはティファ、エアリスはザックスのお気に入りであり、恋愛面において両者の選択は叶わない」、「新作のお菓子が失敗」は「クラウドとエアリスの新しい恋は失敗」、カメラマンによる「カップル感の欠如」はそのまま「クラウドとエアリスはカップルっぽくはない」、そして「思い出が少ない」はティファ対比、ザックス対比でクラウドとエアリスの思い出は少ない、を意味していたのではないか。
- 白マテリアを渡す夢の世界のエアリスは別人か
※「白マテリア」をクラウドに渡す夢の世界のエアリス
※「白マテリア」を受け取り「透明マテリア」を渡すエアリス
そんなネガティブなエアリスに対してクラウドは「これから作ればいい」と前向きな言葉をかける。ただエアリスは何処か寂しそうな顔で「クラウドのことがどういう意味かは分からないけど好きだ」ということを伝え、クラウドに抱きつきながら「ありがと」と別れの言葉のようなセリフを吐く。これではまるでこれから自身に起きることが分かっているかのような振る舞いだ。その後、エアリスは「このマテリアがきっと世界を救う」とクラウドに「白マテリア」を渡すが、よくよく思い返せば『FF7リバース』で共に冒険をしていたエアリスの「白マテリア」はガラス玉のように透明になっていたはず。ここでは大きな描写の矛盾が生じているようにも思えるが、「さよならクラウド」とエアリスが突き放した先の世界で再び現れたエアリスはクラウドから「白マテリア」を受け取り、今度は「透明のマテリア」を渡す。一連のシーンから導ける答えは「夢の世界のエアリス」と「『FF7リバース』で共に冒険していたエアリス」は「別人」だということだ。
- 最後に…
つまり「夢の世界のエアリス」は「『FF7リバースの世界」を救うために「『FF7リバース』の世界のエアリス」にクラウドを通して世界を救う鍵となる「白マテリア」を渡したことになるが、そうなると「じゃあ、あのエアリスは何者なんだよ」という新たな謎が生まれてしまうこととなった。
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