ネタバレ注意
草彅剛主演、樋口真嗣監督Netflix映画『新幹線大爆破』の東京駅臨時路線延長工事中止の理由。
本作では劇中で東京駅の東海道新幹線14番線ホームと東北新幹線23番線ホームを結ぶ作戦が決行がされるが、途中で国土交通省とJR東日本上層部の決定によって中止に追い込まれる。劇中ではその理由が明確に語られないため「なんで中止になったの?」と疑問に思う人も少なくないようだ。
中止になった理由はおそらくJR東海が拒否したから。今回の延長作戦は人命優先のための時間稼ぎになる反面、具体的な爆破阻止プランがある訳ではなく、最終的に新幹線を止めて爆破の道を選ばざるを得ない可能性が高い。そのためJR東海視点に立てばいくら人命優先のお題目があれど「面倒ごとを押し付けるな」という態度になるのもある意味では当然。国土交通省も「これ以上先延ばししても、爆破の道が避けられないなら、余計なことはしないで、JR東日本の管轄内の東京駅手前で爆破させて被害を最小限にした方がいい」的な政治的な判断を下したのだろう。
そのためSNSでは具体的な企業名が出てないとはいえ「JR東海が悪者じゃん…」と察する感想も少なくない。実際、本作から浮き上がってくるのは「乗客のために最後まで諦めずに最善を尽くそうとするJR東日本」と「乗客を見捨てて、保身に走ったJR東海」という構図である。また本作に特別協力しているJR東日本と特別協力してないJR東海が「不仲」というメタ視点を入れると、「直接的な表現を避けながら、分かる人には分かるタイプの嫌味」みたいな見え方もして、中々ヒリつくシーンにもなっている。
それ故に本作はJR東日本の関係者が観れば誇らしい気持ちになる反面、JR東海の関係者からすると複雑な気持ちになる映画なのかもしれない。
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