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【水の中には毒?】三谷幸喜脚本『鎌倉殿の13人』、頼朝の死因は「落馬」ではなく「鈴の音」が聴こえなかった義時による「謀殺」か

(4)「矢のゆくえ」

NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』第25回『天が望んだ男』で大泉洋演じる源頼朝が馬から落ちて死亡した。正確にはまだ昏睡状態で死んではいないのだが、史実的にはこのまま死ぬ。

 

  • 「落馬説」など複数の説が存在する頼朝の死因

源頼朝は鎌倉幕府を作った男故に小学校の歴史のテストにも出題される程の有名人物。しかし悲劇的な死を迎えた弟・義経対比で死亡理由に関してはあまり認知されていない。というのも、死因に関しては『吾妻鏡』に記述がないのだという。そのため「落馬説」を筆頭に「糖尿病説」から「暗殺説」まで複数の説が存在しており、正解がない。それ故に史実ベースのドラマであっても史実に矛盾が生じない範囲であれば自由に描ける、つまりは作家の腕の見せ所でもある。

 

 

  • 三谷幸喜と『草燃える』の頼朝死亡描写

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本作の脚本家・三谷幸喜は頼朝の死について以下のように語る。

(18歳の僕は「草燃える」で)頼朝が死ぬ回のときには、放送日まで頼朝に関する本を読んでイメージを膨らませ楽しみにしていました。ただ、いざ放送をみると、僕が描いていたものとは違っていた。当時は脚本家になるなんて夢にも思いませんでしたが、その日以来、僕なりに思った「自分だったら、頼朝のラストはこうする」という構想をあたため続けていました。

(3ページ目)三谷幸喜が「鎌倉殿の13人」で描く女性「新垣結衣演じる八重は前半の最重要人物、小池栄子の政子に共感できるよう…」 | 文春オンライン

つまり本作で描かれる頼朝の死は三谷幸喜にとって40年越しの『草燃える』への挑戦。いやがおうにも期待が高まる話だ。そして事前予想の一つとして密かに注目を集めていたのが「小栗旬演じる義時が頼朝を殺す説」だった。これはSNSだけでなく、ライムスター宇多丸も同様の説を『アトロク』で唱えていたと記憶している。

 

 

  • 唯一「鈴の音」を聴こえなかった義時と「水筒」

それでは実際の内容はどうだったのか?冒頭から死の恐怖に怯えていた頼朝は災いを避けようと神経質になっており、その姿をコメディとしても受け止められるような絶妙な塩梅で描いていく。しかし「あまり怯えていても仕方がないな」と気づき、前向きに生きることを決意した矢先、頼朝の体に異変が生じて馬から落ちる。

一見「落馬説」を採用したようにも見える死亡描写だが、ここは「義時が頼朝を殺した可能性」を検討してみよう。まず頼朝が馬から落ちた際、頼朝と関係が深い人物らは鈴の音を聴き、何かを感じ取る描写が続く。しかし最後に描かれる義時は鈴の音を聴く描写はない。側近中の側近である義時のみ鈴の音を聴こえないというのは不自然だ。そこで義時のみが鈴の音が聴こえなかった理由を「義時が頼朝を殺した可能性」に沿って考えてみると、「義時は頼朝が死ぬことを知っていたから鈴の音が聴こえなかった」ということになる。そう思って頼朝が落馬する直前の政子含めた3人での会話シーンを振り返ってみると、義時は頼朝に水筒を渡して、頼朝はその中身を飲む描写がある。そのため義時が頼朝を殺すために水筒の中に毒を仕込んでいた可能性もあるのではないか、と思う。そう思うと頼朝が落馬する直前の身体に異変が生じるシーンは身体に毒が回った様子と見えなくもない。

 

 

  • 最後に…

とも思ったが、三谷幸喜のインタビューを読む限りそんなことはなかった。

 

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