NHK・大河ドラマ『鎌倉殿の13人』の第24話『変わらぬ人』で大姫が20歳の若さで病に侵されて亡くなった。
- 義高を救うために自らの命を賭けるも…
【鎌倉殿の13人】「御台所の言葉の重さを知ってください」、三谷幸喜らしいコメディ展開から鬱々しい展開への「落差」ダメージ -Junk-weed’s blog
— ゴミ雑草 (@mjwr9620) 2022年6月19日
大姫が頼朝の前で自らに刃物を向け、頼朝が観念して政子たちに「義高を助ける」と一筆書かせたた頃が懐かしい…#鎌倉殿の13人 https://t.co/J760JJ6X1w
史実的にも彼女は幼い頃に婚約者の義高を父・頼朝の殺害計画によって失ったことで気鬱状態に陥り、その後も頼朝の戦略結婚の企てに振り回されるも、病弱故に最後まで結婚はせずに若くして亡くなった悲劇の女性だったという。今回の『鎌倉殿の13人』での大姫は義高殺害指示を出していた頼朝の前で自らの首に刃物を突きつけながら彼を殺すのはやめるように交渉する強さを見せるキャラクターに演出されていた。そして大姫の強い想いに触れて頼朝も義高殺害指示を取り下げる。ただ時既に遅しで、御家人に殺害中止の指示が伝わる前に義高の首は取られてしまい、頼朝に約束が破らぬように一筆書かせている大姫らの元に首が運ばれてきてしまう。結婚相手が父親の指示によって死ぬだけでもショックなのに、自らの命を懸けた結果、義高を救えるところまで交渉を進めたにも関わらず、後一歩のところで彼を救えず、更に彼の首を(恐らく)目撃してしまう展開にした三谷脚本の容赦なさ。あまりに可哀想である。
- 静御前の舞と「女子(おなご)の覚悟」
/#吾妻鏡
— 2022年 大河ドラマ「鎌倉殿の13人」 (@nhk_kamakura13) 2022年5月22日
文治2年(1186)4月8日条
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源頼朝と政子が鶴岡八幡宮に参詣(さんけい)し、静御前の舞を観覧。工藤祐経が鼓を打ち、畠山重忠が銅拍子を担当しました。静御前の華麗な舞によって、八幡宮一帯が壮観なものとなったそうです。#鎌倉殿の13人 pic.twitter.com/H6HHbTluCn
義高を失った大姫は気鬱状態に陥ってしまう。史実では大姫の気鬱状態が晴れたのは13歳と時系列的には義経の愛妾・静御前が男児を出産した後だったという。『鎌倉殿の13人』ではかの有名な静御前の舞は「彼女の正体は本物の静御前なのか」というリトマス紙としての役割を果たす展開となっており、義時は大姫もいる場で彼女に「静御前の名を語るニセモノだと装うためにワザと下手に踊るように」とアドバイスをする。しかし静御前は自信が義経の愛妾であることを主張するかの如く見事な舞を踊ってみせる。これを見た大姫は「なぜ…」と戸惑いをみせるが、母である政子は「女子の覚悟です」と一言述べた。おそらく大姫は義経を愛する静御前の覚悟の舞を見て、生涯義高のみを愛し続ける覚悟を決めたのかもしれない。
- 呪い(まじない)にハマるも…
/#八重(やえ)#新垣結衣
— 2022年 大河ドラマ「鎌倉殿の13人」 (@nhk_kamakura13) 2021年12月7日
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義時の初恋の人にして、源頼朝の最初の妻。平家を恐れる父・伊東祐親と愛する頼朝との間で板挟みとなり、苦悩する悲運の美女。#鎌倉殿の13人
あすに続きます。 pic.twitter.com/fnrTSYMeYR
とはいっても受けた傷は中々消えるものでもなく、大姫は「呪い」にハマるスピリチュアル女子に変貌。自らの名前を若くして病気で亡くなる『源氏物語』のキャラクター・葵と名乗り、親戚に呪いをかけた魚の頭を配ったり、母親に呪文を唱えさせたりとかなり痛い感じの仕上がりとなった。ただ義時の妻である八重が川で行方不明になった際には、周囲が彼女の無事を祈っているにも関わらず、「もう死んでるわ」とシビアな見解を示した。ここから大姫は義高の経験からいくら呪いを唱えたところで、人は死に贖えないという諦めにも近い闇を感じさせた。
- 前向きに生きようと決めるも京で…
大姫役・南沙良「政子さんと一緒に京に行くシーンが怖かったです(笑)。(中略)大姫にとっては京という場所が想像していたものと違ったというか、“自分の人生の意味”みたいなものを直接考えるようになるきっかけになった出来事だったかなと思います」#鎌倉殿の13人 #南沙良 https://t.co/QBtPPhOaTV
— ゴミ雑草 (@mjwr9620) 2022年6月19日
大姫はその後も義高一筋で未婚を貫く姿勢をみせた。しかし時の流れと木曾義仲を亡くした巴の再婚話に触れることで人生を前向きに生きようという姿勢を見せる。ただ京で丹後局から「なんでそんなに調子に乗ってるの?」と言わんばかりの洗礼を受け、完全に心が折れて逃走。大姫を発見した三浦義村から「自分の幸せのために生きればいい」とアドバイスを受けるも、その後は病に侵されて「好きに生きるということは好きに死ぬこと」「死ねば義高殿に会えるんですもの… 楽しみで仕方ない」と死を受け入れることで、みるみると衰弱していき史実通り若くして亡くなることとなった。20歳の女性が今を生きるより死んであの世で好きな人過ごす方を望んでしまうのは何とも悲しい話だ。更に『鎌倉殿の13人』では頼朝が大姫の死を悲しむこともなく「(史実では死因がアヤフヤな)範頼が呪ったに決まっている」と逆恨みして範頼暗殺指示を出す負のエッセンス付き。大姫の死だけでも辛いのに、そこに範頼の死まで絡めて頼朝の暴走を描く展開には三谷幸喜の「鬼脚本」振りが際立っていたように思う。
- 最後に…
「何か背負わせたくなる顔」、ドラゴン桜で一転 南沙良:朝日新聞デジタル
— ゴミ雑草 (@mjwr9620) 2022年5月22日
→自分の強みは何だと思いますか。そう尋ねると、「色んな方に、『何かを背負わせたくなる顔だね』と言われます」。確かに、影を背負った役柄の好演が続いている。
『鎌倉殿の13人』の大姫役、期待https://t.co/chQ7XyhIMH
「義高を助けられる!→もう死んでました」「義高のことには区切りをつけて前向きに生きよう!→丹後局からのハラスメントじみた洗礼」とただただ不幸なだけでなく、一度「希望」を見せてから落とす三谷幸喜のしんどい脚本。常に政治の道具として利用された切ない人生だった大姫を色んな人から「何かを背負わせたくなる顔だね」と指摘されていたという南沙良が演じたというのもナイスキャスティングだったように思う。
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