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雨の「I hate you」→日向の「I love you」、『カムカムエヴリバディ』が示した「それでも人生は続いていく」と「みんな間違う」

(24)「1946-1948」

『カムカムエヴリバディ』が最終回間近だ。

 

  • 「それでも人生は続いていく」と「みんな間違う」

https://twitter.com/asadora_bk_nhk/status/1503148406096732164

https://twitter.com/asadora_bk_nhk/status/1509742354063929357

個人的に『カムカム』で心に残ったメッセージは「それでも人生は続いていく」と「みんな間違う」の2つだった。前者は娘・ひなたと息子・桃太郎が人生に希望を抱き難くなった時に錠一郎が自身のトランペットを諦めなくてはならなくなった人生を明かしながら語った言葉。後者はるいが雪衣から謝罪された時に、自身が母親・安子を突き放してしまった「I hate you」と向き合ったことで放たれた台詞だった。

 

 

  • それでも人生を続けていたキャラクターたち

(103)「2001-2003」

本作では「それでも人生は続いていた人」と「間違えた人」が多く登場する。例えば本郷奏多演じる五十嵐。彼には時代劇俳優になる夢があったが、それは叶わず実家に帰ることになる。しかしその後、渡米してハリウッドのアクション監督助手となり、ひなたの前に『サムライ・ベースボール』のオーディションスタッフとして再び現れる。ひなたの明るさを前に自身の不甲斐なさを恥じて夢を諦めた五十嵐の人生はやはり続いていたのだ。

(94)「1993-1994」

また安子の兄である算太も雉真家の居候の立場でありながら女中の雪衣に告白するも、その家の次男である勇の部屋から彼女が出てくるの目撃し、その後窓ガラスに映った借り物のスーツに身を纏う自身の惨めさを笑い、そのまま安子と貯めた「たちばな」再興のためのお金を持って蒸発していた。その上、その後姪孫と知らずに知り合ったひなたの実家の回転焼き屋が安子の娘・るいが営む店だと知ると再びそのまま逃亡。「何やってるんだよ」感が半端ないが、その10年後るいの目の前に姿を現した算太は商店街でダンスを披露してるいに「安子は悪くない」と謝った。算太は「手をつけてない安子との貯金通帳」と「ひなたの前から消えた日から貯められた貯金通帳」の2つをるいに渡していた。間違えてしまった算太もあの日から、やはり色々な想いを抱えながら人生を続けていたのだと分かる瞬間だった。

 

 

  • 安子もまた…

(38)「1951-1962」

そして『カムカム』の最大の間違いはるいが母親・安子に放った「I hate you」だった。本作はヒロイン交代制のドラマ故に、2代目ヒロインのるいのそれから続いていた人生は描かれても、アメリカに行ってしまった初代ヒロイン・安子のそれから続けてきた人生が描かれることはなかった。そのため本作は「安子はその後どうしているのか」が注目の的となっていた。

(108)「2003-2025」

最終回間近で安子がその後アニー・ヒラカワとしてハリウッド映画のキャスティングディレクターとして活躍していたことが明らかになった。ここでもやはり安子の人生はあの日から「それでも人生は続いていた」のであった。また本作のヒロイン交代制は安子が心に大きな傷を負ったその後の人生を他ヒロインの人生に焦点を当てながら時間を進ませることで、主人公の一人でありながらその過程をリアルタイムでは描かず時間経過をさせたことで、安子に生身の人間性を持たせ、彼女の人生がその後も続いていたことに実在感を持たせることに一役買っていたようにも思えた。

 

 

  • 最後に…

https://twitter.com/asadora_bk_nhk/status/1511844958004723720

るいが放った「I hate you」は最新話で「I Love you」と発したことで、母と娘の英語の記憶はネガティブなものからポジティブなものに塗り変わった。

https://twitter.com/asadora_bk_nhk/status/1511845260456046603

もちろん、あの日の安子が願ったるいとの生活は二度と実現できない。それでも雨は上がり、太陽の光が当たる日向となった。正に「サニーサイド」、日向の道を歩けば、人生は輝く。今後の彼女たちの人生に幸あれ。

 

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