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【ネタバレ感想】庵野秀明総監修・樋口真嗣監督作品『シン・ウルトラマン』における長澤まさみ演じる浅見弘子の描写の是非

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ネタバレ注意

企画・脚本等:庵野秀明監督の樋口真嗣監督作品『シン・ウルトラマン』が公開されたが、長澤まさみ演じる浅見弘子の描写が物議を醸している。

 

物議を醸してるのは「浅見が気合いを入れるときに自分のお尻を叩くが、それを他者にもやる描写」「浅見が巨大化した際にスカートの中に意識が向かうようにするアングルがある」「斎藤工演じるウルトラマンである神永新二が浅見の匂いを嗅ぐ」の3点という印象。

 

 

個人的に一番ノイズになったのが一つ目の「浅見が気合いを入れるときに自分のお尻を叩くが、それを他者にもやる描写」。二つ目の「浅見が巨大化した際にスカートの中に意識が向かうようにするアングルがある」は、その後のシーンで性的視線によりネットミームとなってしまった浅見に対して山本耕史演じるメフィラスが「こんな野蛮なことが起きるとは思ってなかった」という否定見解を示して、劇中でも「アレは女性を性的に消費するシーン」という扱いになっている。また「ウルトラマンである神永新二が浅見の匂いを嗅ぐ」も匂いを嗅いでいるシーンは「人間とは違う常識を持つ外星人」、つまりは「普通の人間がやったらおかしいシーン」として描写されており、こちらもメフィラスによって「変態的行為」と否定見解が示されている。そのため、後者二つの描写は「愚かな人間と紳士的なメフィラス」、「人間の常識を理解していない外星人・ウルトラマンと理解している外星人・メフィラス」の対比を強調させるための描写だったのではないか、と認識した。ただ「オリジナル版で女性隊員が巨大化する描写はパンツ(ズボン)だったのに、ジェンダー意識が高まった今の時代に公開される『シン』でスカートに変更して、その中が見えるか見えないか描写をやるのは退化しているのでは?」という指摘に対しては「確かに…」とも思った。そういう文脈で見ると『ウルトラマン』に思い入れがある人ほど受け入れ難い描写になっていたかもしれない。

 

※カメラアングルに関しては有岡くんも中々

 

 

それでも後者二つは劇中でメフィラスによって否定見解が示されていた。しかし「浅見が気合いを入れるときに自分のお尻を叩くが、それを他者にもやる描写」は「セクハラ」とも取れる行為だが、劇中で否定されない。それどころかラストでは死を覚悟してゼットンに挑みに行くウルトラマンこと神永のお尻を浅見が叩くことで、2人の関係性を示す感動シーンみたいな描かれ方をしている。しかも浅見は登場早々、初対面の早見あかり演じる船縁のお尻を叩く描写があり、劇中内でも「浅見が他者のお尻を叩くこと」と「人間関係の信頼度や親密度が高い」がイコールとなっている感じのキャラクターでもなかった。そのため、個人的には鑑賞中はお尻絡みのシーンが一番ノイズとなってしまった。

 

※お尻絡みのシーンはパンフレットで樋口真嗣監督が「浅見弘子が気合を入れる時に尻を叩くというのは脚本段階ですでに書かれていた重要な味付け」としていることから庵野秀明監督のアイデア

 

※『長澤まさみ『シン・ウルトラマン』浅見役はパブリックイメージを反映 ウルトラマンと目が合い安堵|シネマトゥデイ』で長澤まさみは「『よっしゃー!』と、バンってお尻をたたいて気合を入れたりと、威勢よく張り切る描写もあったので、最初は少し戸惑いました」という見解を述べている

 

 

そんなこんなで個人的には「お尻絡みの描写」は「ノイズ」、「巨大化によるスカート描写」は「劇中でメフィラスによって否定されるから、鑑賞中はそこまでノイズにはならなかったけど、『ウルトラマン』からの流れを踏まえると… ただ敢えて批判精神で入れたのかもと汲み取りたくもなる」みたいな認識。最後に美味しい役でもあると同時に損な役とも捉えることができる長澤まさみだったけど、ゼットンを倒しに行くために変身する神永を見送る表情とか「やっぱスゴいな…」と思った。

 

【追記】下からのアングルは「やりたい」という気持ちと「でも今の時代それはなし」との葛藤から生まれた折衷案だった可能性もあるのかな、と思った

 

【追記2】

役者陣は当該シーンを楽しく語っているし、個人的にも長澤まさみ巨大化シーンとかは「気になるところもあるけど、トータルでは好き」みたいな感じ。ただラストの気合い入れるシーンはやっぱり「アレやるなら初対面の早見あかりのお尻叩くシーンはない方が良くね?」とは思う。

 

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